どうもサンポです。
今回は NFTの値付けについて考えてみたいと思います。
この問いには結論があるわけでもないので、僕はこう考えましたという内容になっています。そして投資助言でもないです。
NFTの価格について考えるきっかけになればなという思いで書いています。
なぜそもそもNFTの値付けについて考えてみようと思ったか。
それはブロックチェーンゲームなどのゲーム系プロジェクトのNFTが高すぎるから。日本円で100万越えって手が出せないですよね。GalaGamesの新規ゲームしかりSandboxの土地しかり…
みなさんもそう思ったことってありませんか?
百歩譲って、遊べるゲームがリリースされていて、システムや利用用途がわかっているNFTであれば値段を吟味することは可能です。
しかし、ゲーム開発中に先行販売されるNFTは、利用用途不明確なNFTが販売される。そのNFTの具体的な利用方法はわからない。ゲームでどうやって使うのかもテキストで書かれているだけ。あまりにもリスキーな商品に思えてなりません。
おそらく先行販売されるNFTを買っている人たちの心理としては、先行者優位で儲けることができるはず!という期待。乗り遅れてはいけないという焦り、こういった心理が先行している状態だと思います。あと転売目的。
実際に先行者優位で稼げるという可能性はあるかもしれません。しかしゲームのリリース日も定まっていないプロジェクトにお金を入れてロックしてしまうということは、自分自身の投資機会や成長機会を奪ってしまっている状態になります。
要するにもっと有効に使えるはずだったお金を閉じ込めてしまっている状態です。これは勿体無いですよね。
現在、クリプト系プロジェクトのマーケティング手法は先行者優位を煽るものばかりが目立っています。参加者限定のエアドロップ、条件達成でのホワイトリスト登録、人数限定のIDOなど。とにかく先行、先行、先行といった状況。
こういった流れが加速していることもNFT価格を押し上げてる要因ではないかと思います。とにかく早くプロジェクトに参加している方が有利だ、買えなかったら悔しい、参加しないと後悔する。
このように多くの人が目に見えない呪縛に囚われている可能性があります。
この記事がその呪縛を解くきっかけになってくれたら嬉しいです。
■ BAYCの値段はどう決まってる?
ここからはすでに出回っているNFTがどのような経緯を経て、今の値段になっているのかを見ていきます。
その一例として、ある意味ゲーム系のNFT、BAYCを見ていきましょう!
BAYCのミント時の値段は0.08ETH。そして今現在はフロア価格86ETH。
実に1000倍以上の値上がり。ではなぜこんなにも値段が上がったのでしょうか?
BAYCは四人のクリエイターによって作られました。クリプトパンプスの流行を分析し、アイコンに使えるジェネラティブアートとして1万体を2021年4月にOpenSeaで販売開始。その後、海外セレブ達がこぞって購入し Twitter のアイコンにするなど人気が爆発しました。その後もBAYC自体で数々の企画を実施し、NFTの利用ケースを増やしています。そのかいあってか、今では販売時の1000倍の価格で取引されています。
ここで重要なのは、最初の値付け以降、制作者はBAYCの取引値を操作していないということです。もともとBAYCは誰にでも購入できるアイコンNFTとして0.08ETHで売りに出されました。それがマーケットで多くの人の手を介して次第に価格が高騰していったのです。
要するにBAYCの値段というのは、需要と供給、つまり市場が決めた形になるんですね。市場がきめた値段というのは不特定多数の人間の総意とも言い換えられます。ある意味、価格設定が分散的に行われたわけです。
よってBAYCの価格は市場によって保障されている状態。
これがそのままゲーム系NFTに当てはめられる訳ではないですが、価格を吟味する一つの例として実に有効だと思います。
※参考記事⇒NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」とは
■ ゲーム系プロジェクトのNFT価格は適正か?
独自のマーケットを持っているBCGであれば、そのマーケットで売買されているNFTの値段は比較的、適正な値段だとも判断できます。
ただ、取引が活発かつユーザー数も多い状態が理想ではありますが…マーケットがないよりはマシですね。
その点を鑑みるとAxieInfinityは、ゲームシステムもガッツリ決まっていて、マーケットも整っているから、Axieが適正な値段で取引されていると言えます。
危険なのが、開発者側が独自の値段設定を行い、かつ高額な場合。
いわば中央集権的な値段設定はユーザーにとってリスクが高いです。
ゲーム系NFTは、ゲーム内でのシステム面での機能と、金融商品としての価値も値段におり込まなくてはいけない。これは本当に難しい作業だと思います。
想定したゲームシステムが正常に動作し、かつユーザーも一定数プレイしてくれる状態を作り出す。その土台を作ることが究極的に難しいのがゲームであって、その上に経済価値とシステム的な価値を生み出すNFTを乗っけるわけですからとんでもない難易度です。
そもそもゲームを開発中の段階で高額なNFTを販売することは開発者側とユーザー側のどちらも大きなリスクを負う形になります。ユーザー側は先ほど説明したように、資金がロックされてしまうということ。
開発者側は、ゲーム開発を止められなくなるということがリスクになります。
通常、ゲーム開発の進行というのはテスト➡︎アルファ➡︎ベータ➡︎マスター(リリース)という段階をとっていきます。
中でもアルファは、ゲーム開発の明暗を分ける第一関門です。アルファは、ゲームの売りとなる”核”の部分だけを作り込んだ体験版という位置付けで、このアルファで面白くない、面白くならなそうなゲームはそれ以上開発することはありません。
つまりプロジェクトごと白紙に戻す訳です。
ゲーム開発には時間も費用も膨大にかかる。このことは、段々と多くの人に認知されてきていると思います。開発に5年、総製作費○億円とかザラです。
なので初期段階のアルファで、面白い!面白くなりそう!という片鱗が見えなければ捨ててしまって、新たに別の企画を作った方がコスト的にも精神的にも健全な場合が多いです。ある意味損切りの精神と似ているかもしれませんね。
つまり、アルファ段階を経ていないゲームのNFTを売り出すということは、開発者が『損切り』というリスク回避を封印するということにほかならないんです。たまにラグる開発もありますが…
そのためゲーム系のNFTを購入する際はこのようなリスクを受け入れた上で購入しなくてはいけないんです。
■ 健全なプロジェクトの条件
そう考えると健全なプロジェクトというのは、まず何かしら遊べる状態のものを作りプレイヤーからのフィードバックを得る。そのフィードバックをもとにゲームを改善し、またプレイヤーのフィードバックを得る。この繰り返しを何度も行いアルファ段階へ。それから初めてゲーム内で利用できるNFTを販売する。という手順が理想ですよね。
GalaGamesのタウンスターは最初はそうだったと思います。タウンスターはP2Eが始まる前は、NFTの取引は活発ではありませんでした。しかしP2Eが始まって、このゲームは稼げる!と評判になりトークン価格が上がり、NFT価格も上がりました。
その結果、今のNFTの値段が決まっています。
ただGalaGamesの場合はNFTに市場価格が反映されているかといえばNOだと思います。取引が活発で、不特定多数のユーザーが値段を決めているというよりかは、公式StoreでのNFT販売価格を元に、OpenSeaなどのマーケットで値段が決まっている印象が強いです。
■ 開発者、プレイヤーの双方が考えるべき事
これらを踏まえた上で、開発者側、プレイヤー側ができることは?
開発者サイドはユーザーをむやみやたらと煽らない。プロジェクト初期の段階で高額NFT販売はしない。開発資金が欲しいなら、アルファまでは自分達で用意しろ!というような少し厳しめなぐらいがいいのではないでしょうか。
NFT販売をクラウドファンディング代わりに使うと、後戻りできない状況に陥ってしまう危険性があるので、やるにしても体験版提供は必須ですね。
以前ぼくは、トークンセールもNFT販売もガンガンやれー!みたいな考えでしたが、冷静に考えてみたらあんまりいい事無いなと思って、考えを改めました。
そして、ユーザー、プレイヤー側ができることは、自分でルールを決めるしかないということです。NFT購入前は利用用途、どんな使い道があるのかを必ず調べる。投資目的なのであれば原資回収までの日程を概算できるのかを調べ、考える。まずはそれが大事です。
そして、そういった考えを一切持たず、ただただ先行者優位だけを狙うのであれば、完全なる余剰資金で行う。生活費をつぎ込んで買うにはあまりにもリスクが高すぎます。他の方法でいくらでもそのリスクを冒すことができますからね。パチンコのがマシかもしれないです。
とにかく、こんなところで使うリスクではないと思います。僕だったら世界一周旅行とかいきます。
ちょうど今相場が冷え込んでいて、不安にかられたり、冷静になっていると思います。こういった時に自分なりの投資ルールを作ったり、見直しておくということが自分の成長に繋がるチャンスとなります。
自分のウォレットに眠っているNFT、これを活用する方法はないのか?と考えてみるのも、楽しいかもしれません。
せっかく面白い世界がやってきているのに、その世界から退場するなんてことにはなりたくないですからね。今のうちにしっかりとマイルールを整備してみてはいかがでしょうか。
それでは。